五反田和樹

Kazuki Gotanda

五反田和樹

Belong to
株式会社シグノ
Profile
1981年 広島県北広島町(旧千代田町)生まれ

広告代理店でディレクターを務めながら映画作家を目指し、映像制作をメインとしてグラフィックデザイン等も手掛けるfilmoutとして独立。
広島時代はDJやVJとしても活動。
以下に記載したアーティストステートメントを元にコラージュという技法が時間や空間の切り取りを再構築する最適のツールと捉えている。
そのため、平面、映像、文章などのコラージュを土台に実写との融合や新しい表現を模索しながら制作を続けている。
制作過程は基本的に単独で個人主義的な進行であり、案件によっては少数精鋭で制作を行っている。
生涯の目標は単独で独創的な映画を作ること。

【ステートメント】
私たちが見ているものは常に物事の全てではなく切り取られた側面であるため、現実でも不条理な出来事が唐突に起きているように見える事がしばしばある。目に見えるほとんどの事象は編集されており各々の捉え方の違いによって自己や他者との間に誤解や齟齬を生んだりする。私はこれらの主観と客観の齟齬を超現実主義(シュルレアリスム)的、特にコラージュ的であると考えている。
私は平面作品、映像作品に限らず編集やトリミングによって狭まる認識や理解の外側の意識を喚起しようとしており、平面作品にはフレームの外側を想起させるようなキャプションを付けたり、映像ではカットを繋げない事でそのモンタージュによる別の意味付けを誘発させようとしている。
一般的によく見られる簡潔に分かり易くパッケージするという行為はひと目見る事でその全てを理解したような錯覚に陥らせる。それは受け取る側が考えずに済むような仕組みになっており、本意とは違う意図で伝わることも多く、誤解され、軋轢を生み、分かり易いが故に簡単に伝播する危険性を孕んでいる。
そのため自身の作品においては反デザイン的に制作することが多く、安易に目線を誘導しない、人工的に揃えないというところも意識しているところである。
また制作は全て映画(映像)を作っているつもりで進めており平面作品に至っては実験映像の一種と捉えている。

Work

豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL 「Shout out to good show!」 LYRiC ViDEO
AnimationArt workExperimental filmMotion graphicsMusic videoMVPaper craft

豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL 「Shout out to good show!」 LYRiC ViDEO

2024
00:02:11
「下ネタ以外ならなんでも自由にやってください。」 というご依頼を頂き、楽曲と詩の世界観、テンション、造形がなるべく異形になるように意識した。 参考にしたのはスティーヴン・キングの『地獄のデビル・トラック』、サム・ペキンパーの『コンボイ』、ケン・ラッセルの『ゴシック』など、見ていて熱っぽくうなされるような作品。 特に巨大なものが猛スピードで走るバカバカしさと、何かしらの限界を突破したりミックスされて異形になってしまうもののイメージを主に表現したかった。 ゴシックの歴史を辿ればキリスト教の死生観から教会のゴシック建築に配置されたガーゴイルなどのモンスターに至るまで、夏と冬のように生と死が繰り返される感覚がある。常に私はアンビバレンツなものの同居に惹かれている。助手席のゾンビは常に生と死のアンビバレンツな状況を体現している。本人は死んでいるが「生身」と書いたTシャツを着ていたり、点滴を打ったりして死を受け入れたくないようだ。 手法としてはいつものコラージュだが、設定した世界観から逸脱しないように作るのは難しい。特にこだわったトラックの造形も正面、斜め、サイドである程度の整合性を保たなければ繋がらない。整合性の無さがコラージュのある種の特性だが、この気持ち悪いバランスの悪さがここ最近の制作の中でも最も刺激的で楽しかった。
The Ravens / 楽園狂想曲 Music Video
AnimationMusic videoMV

The Ravens / 楽園狂想曲 Music Video

2022
00:03:51
テーマを「アジール(聖域・自由領域)としての音楽」と設定。 歌詞にある五線譜(音楽)をアジール(自由領域)と捉えた。 歌詞では音楽そのものが持つ楽しみを気づかせるように呼びかけられており、またそこに身を委ねる事が取るに足らない普通の行為である事を歌われている。更に音楽を楽しむ事に制限があるようにすら錯覚する、昨今(コロナ禍)の情勢に対するアンチテーゼのようにも聞こえた。 しかし実際は音楽自体にそんな制限はない。作者や聴き手にとって常に自由であり不可侵であり聖域であり避難所でもあったりする中で、ただ好奇心をもって音楽を楽しむことの経緯をコラージュと寓意的な物語で表現することを目指した。 " アジールあるいはアサイラム(独: Asyl、仏: asile、英: asylum)は、歴史的・社会的な概念で、「聖域」「自由領域」「避 難所」「無縁所」などとも呼ばれる特殊なエリアのことを意味する。ギリシア語の「ἄσυλον(侵すことのできない、神 聖な場所の意)」を語源とする。具体的には、おおむね「統治権力が及ばない地域」ということになる。" -Wikipedia " 犯罪人や奴隷などが過酷な侵害や報復から免れるために逃げ込んで保護を受ける場所のこと。ギリシア語のasylos (害されない、神聖不可侵の意)に由来する。国家刑罰権がまだ組織的、体系的に確立していなかった前近代では、 ほとんどの社会でみられた制度である。本来この制度は、聖域に入った者に害を加える(復讐( ふくしゅう) する) ことは神を冒涜( ぼうとく) するものという原始宗教観念に基づいていた。古代ギリシアでは、神殿は虐待( ぎゃく たい) を受けた奴隷や犯罪人、債務者を保護する場所とされ、神殿に逃れて神の保護に入った者を取り戻したり、こ れに制裁を加えることは宗教的罪と考えられた。" - コトバンク 今作で意識したのは実写のカットのみでなくモチーフごとのカットを頻繁にすることで領域を曖昧にする事だった。

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